訪問歯科診療｜鎌倉市大船の歯医者｜医療法人東歯会　鎌倉ハート歯科クリニック

訪問診療の対象となる通院困難な高齢の方ほど口腔ケアが必要になってきます。
お口のみを清潔にするだけではなく、入れ歯や噛み合わせを整えることで食事を楽しめるようになったり、全身に良い影響がでることもあります。
また、誤嚥性肺炎のような病気を未然に防ぐこともできます。

・誤嚥性肺炎の予防

自分で歯磨きができなくなったり、磨き残しが多くなってくると、口の中に細菌が常にいるような状態になります。
虫歯や歯周病などにかかりやすくなるだけではなく、高齢者や病気などで飲み込む力が弱くなり、うまく嚥下できずに気管に入ってしまうと、肺炎の原因になることがあります。
抵抗力の弱くなった高齢の方にとって、肺炎はとても怖い病気です。
誤嚥性肺炎は口腔内を清潔に保つだけで予防できますので、訪問診療などを利用して、お口の環境を整えましょう。

日本は世界で最も早い速度で高齢化が進んでおり、現在、65歳以上の人口が全人口の21％を超える「超高齢社会」に突入しています。このスピードは、欧米の数倍の速さで進んでいますが、医療の進歩や生活環境の改善等、わが国の優れた保険・医療システムにより「平均寿命」は延び、世界でもトップクラスの水準となりましたが、「健康寿命」（健康で自立して生活できる寿命）が追いついていない状況が生じています。
日本人の男女の平均寿命は、厚労省調べ（平成25年）では、男性80.21歳、女性86.61歳ですが、健康寿命は男性71.19歳、女性74.21歳と言われています。このことは、数字上では、この差の役10年間を寝たきり若しくはそれに近い状態、つまり要介護の状態で過ごすことを意味しています。多くの要介護の方々を支えていくことは、本人はもとより、その家族や社会全体の負担を意味し、これを解決していくことがわが国の緊急の課題となっております。
これに対し、我々歯科医師の責務は、「健康寿命」を「平均寿命」に近づけるべく、まず多くの歯を残し、しっかりと口から食べることにより「健康寿命」を延ばすこと、歯を失った方に対しては、入れ歯等でしっかり噛めるようにすること、さらに要介護の方々には、歯科医療を通して自分の口から食べられる人生を送っていただくことでQOL（生活の質）やADL（日常活動動作能力）を支えること、と考えております。つまり歯科医療は、”食べる””話す”等、「日々の生きる力を支える生活の医療」であります。

虫歯や歯周病の治療だけではなく、口腔はその他の大切な役割を担っています。適切なケアを持続することによって、下記のようなことが自分の歯や口でより長くできるようになり、介護な必要な方でも、よりよい状態へと変化する場合があります。

・食事する

胃腸の負担を減らし、食べる楽しみが増えます。

・会話する

歯が多く残っている人や入れ歯をしている人の方が、聞き取りやすい会話ができるようになり、周りとの会話やコミュニケーションを億劫に思わずにすみます。

・刺激を与える

咀嚼することで、脳へと刺激が伝わり活性化され、いきいきとしてきます。また、顎の骨の減少を遅らせることができます。

・唾液の分泌

唾液は虫歯予防や消化の手助けなど、とても重要な役割を担っています。
噛むことで唾液が分泌され、病気を防いだり、飲み込みやすくなったりします。

・表情が豊かになる

歯が抜けると途端に顔貌が変化し、笑ったりすることも乏しくなってしまいます。歯を大切にし、入れ歯が合うように顎の骨に刺激を与えることが、顔の筋肉を衰えさせない大切なことです。